第四章 〜転機〜


 ある整体セミナーに参加した時のことでした。

 

 たまたま隣に座られた方が声をかけてくださり、帰り道も偶然ご一緒させていただくことになりました。 その方は関東の方でしたが、それから何度もお電話でやりとりする機会がありました。

 

 何度目かのやりとりの際、その方から「この先生のホームページ見てご覧なさい。すごくいいから」と言っていただき、そのホームページ(以下、HP)を見てみました。  

 

 そこに記載されている膨大な情報量にまず驚きつつ、最初に目にした記事が「リフレクソロジー その原理と技法」というタイトルでした。その記事を見て。

 

 圧倒と衝撃でした。

 

 当時、自分が知っていたリフレクソロジーの原理は二つ(循環原理・全息胚原理)。それが全てだと思い、自分は周りより知識があるという思い込みすらありました。

 

 それを遥かに上回る九つの原理によって、リフレクソロジーのメカニズムが説明されていたのです。しかも分かりやすく、理路整然と。

 

 さらにその一つ一つが初めて聞く「目から鱗」の内容でした。ここまで深く「リフレクソロジー」を研究・説明された方は初めてでした(現在でも、この内容を超えたリフレクソロジー論を見たことがありません)。

 

 「今までの自分の知識・技術、全てが子供だましだったな・・・」

 

 自分の抱いていたリフレクソロジー観が根底から覆ることになりました。

 

 そしてこの圧倒的な記事は、HPのほんのささやかな一部分に過ぎなかったのです。他にも整体法に関する「目から鱗」の記事が、それこそ無数にHP中に散りばめられていました。

 

 その記事の一つ、実際に体験した施術例が書いてある「施術百話」には、成功例だけでなく失敗例までが正直に挙げられていました。

 

 豊富な知識・誠実な姿勢・公平かつ哲学的な思考力・傲慢にならない強固な自制心・そしてユーモア。

 

 HPの文面から、様々なものを感じ取りました。

 

 そして直感しました。

 

 「この先生なら間違いない。学ぼう」

 

 その先生の名は武田亜水(たけだ つぐみ)。自分と同じリフレクソロジストとしてキャリアをスタートし、そして自分と同じ症状改善の悩みにぶつかりながらもたった一人で探求を続け、10年間の試行錯誤の末に独自の整体法を創られた方です。

 

 その整体法、「リフレパシー整体」を学ぶことを決めました。他のスクールと違い、とても良心的な受講料ということも背中を押してくれました。

 

 冒頭に書いたように、ふとしたきっかけで出会った方より先生のHPを薦めてくれたことから、全てが始まりました。

 

 自分とその方が同じ整体セミナーに参加したこと。

 席が隣同士になったこと。

 その方が自分に声をかけてくださったこと。

 帰路が同じでご一緒し、その後もやりとりをさせていただいたこと。

 

 これら一連の出来事が一つでも欠けていたら、武田先生の存在を知ることすらないままでいたと思います。 そして自分の整体師としてのキャリアも、今頃はとうに終わっていたことでしょう。