<27.変形性股関節症:末期>


(根治には至らなかった症例ですが、UPいたします。かなり長文になります)

 50代、山口県在住の女性の方。

 三年前の夏より股関節の痛みがひどくなり、病院からは「変形性股関節症の末期」と診断され、

 「もうどうしようもない、歩けなくなるまで待ってください。そうなったら手術です。そうでなくても60~70才には絶対に手術すること!」

 と言われ、それから診察のたびに先生から、手術を強く(かなり声を荒らげて)言われているようです。

 股関節の外側の痛みが特にひどく、同じ症状で改善された方の「クライアント様の声」をご覧になり、お越しになられました。

 “このままだと、職場をクビになるかもしれません・・”

 初回のプレカウンセリングにて、そんな切実な思いもお伝えいただきました。

 昨年の6月を初めに、月に二・三回、ご自宅より車で新山口駅まで向かい、そこから新幹線にて広島にお越しになられていました。

 こう書くと簡単ですが、山口から施術のためだけに新幹線でお越しになることが、どれほど大変なことか。

 本当に頭が下がる思いで、施術させていただいておりました。

 結論から先に言いますと。

 三回目の施術まではさほど変化は見られませんでしたが、四回目から痛みが改善していき、

 約八ヶ月の歳月を重ね、階段を上がる時以外は、歩いても苦にならない状況までになりました(お友達からも、歩く姿が良くなってるねと言われたそうです)。

 この方の身体についてですが、

 <骨盤前の出っ張り・その横にある筋肉(=大腿筋膜張筋 ※写真一枚目参照)>が、毎回押すと強い反応を出されていました。

 ここは階段を登る時に足を上げる筋肉でもありますので、恐らくここがメインの原因と思われます。

(先述しましたように、施術期間の後半段階でも「階段を上がる時だけが、痛みがかなり気になる」と言われていましたので)

 さらに「股関節だけでなく、太ももの外側まで痛く感じることがある」と訴えられていたことからも、

 この筋肉がメインの原因であるという予想が補強されます(この筋肉は太もも外側にも痛みを送ることがあります)。

 ここを緩めることが毎回の施術時の課題でした。

 そしてもう一つ、ある一時期、<肋骨下にある筋肉(=腰方形筋)>をかなり強く反応されていた期間がありました(少し押さえても大きく声が出るほど)。

 この筋肉、原因がその「表面」に潜んでいるのか「奥」に潜んでいるのかで、痛みを送る場所が違ってきます。

 この方が強く反応されたのはこの筋肉の「表面」、肋骨のきわの部分でした(※写真二枚目、黒い円で囲んだ箇所)。

 ここから痛みが送られるところは<お尻の筋肉(=中殿筋)>の部分ですので(※写真二枚目、赤い円で囲んだ箇所)、

 股関節外側に直接痛みを送るわけではありません。

 ですがこの<お尻の筋肉(=中殿筋)>というのが、股関節外側に痛みを送る筋肉なのです(※写真三枚目参照)。ですので、

 ・腰方形筋→中殿筋→股関節外側 

 といったドミノ倒しのようなメカニズムで、痛みが引き起こされていた可能性が考えられます。

 事実、激しく反応されていたそのポイントが沈静化してより、症状の改善感がかなり増したようですので。

 最近の病院の検査でも、運動能力・動かせる範囲など現状維持を保てているとの検査結果です。

 「現状維持」

 “その結果が出ても病院の先生は無表情・無感想でした。現状維持できるだけでも、それがどれほど嬉しいものかというのを、全然分かってくれなかったですね・・・”

 検査結果判明後にお越しになられたさい、少し寂しそうに言われていました。

 メディカル・ドクターにとっては、手術するかどうか以外には関心がないということでしょうか

 (この方が通院されている病院は、股関節の手術に関しては全国的に有名な病院であり、その中でも一番の技術を誇るドクターということですが・・)。

 そうだとしたら、とても残念なことですが・・。

 話を戻しまして。

 そして直近で気になられていたのが、

 「左の股(膝)を内側に閉じようとすると、股関節の内側(=ソケイ部。俗に言う、コマネチラインと呼ばれる所です)がすごく痛い」

 ということでした。

 それを聞き、痛みの原因は「内股の筋肉(=内転筋群 ※写真四枚目)」ではないかと予測しました。

 この筋肉は「群」という名前のとおり、足を内側に閉じる(=股関節の内転 ※写真五枚目参照)時に使われる筋肉の集まりの名前で、

 それぞれ<大内転筋><小内転筋><長内転筋><薄筋><恥骨筋>と細かく分かれます。

 案の定、ここを肘で慎重に押さえると、かなり強い痛みの反応がありました。

 この筋肉は硬くなると、股関節へ痛みを送るだけでなく「こわばり」も生み出し、膝の内側にも痛みを送ります。

 ここを入念に緩めた後に、アフターカウンセリングにてクライアント様が言われたのですが、

 「足を内側に大きく倒せるようになった、そしてその時に痛みもほとんど走らない・・!」

とのことでした(1回の施術でこれだけ結果が出るのもレアなケースです)。

 こうして足掛け八ヶ月---。

 様々な状況に対し、その都度施術を微調整しながら、少しずつではありますが、改善の方向にむかわれていかれていました。

 ですが、今年一月に状況が変わりました。

 御年90になられる御母様がお倒れになり、長期にわたってその看病に携わる必要が生じ、継続して広島への通院がこれからできなくなったとのことでした。

 少しずつ改善の方向に向かわれておりましたので、御本人様が一番残念がられていたのですが・・・、致し方ないと思うしかありません。

 “落ち着いたらまた必ず来させてくださいね”

 その言葉を最後にお帰りになられるクライアント様の後ろ姿を、ずっと見送らせていただきました。

 広島-山口間を往復されていた際の心境をお察ししながら---。

 いつかまたお越し頂ける日を、心待ちにしています。
 
  →このクライアント様が来院されるきっかけとなった、同じ症状の方からの「クライアント様のお声」はこちら